概要
今回の全国瞬時警報システムは、現行のJアラートシステムが抱える視認性や理解度の問題をユニバーサルデザインの観点から解決し、年齢や国籍、身体的特性の違いに関わらず、すべての人が迅速かつ的確に避難行動をとれる情報伝達システムを構築することを目的としている。
現在のJ-ALERTの画面は、小学校高学年レベル以上の難しい漢字や有事に関する専門用語が多く使われており、未就学児や外国人には情報が正確に伝わりにくいという重大な課題を抱えている。また、危機管理当局の文章がそのまま掲載されているため情報の優先順位が不明確であり、緊急時に最も伝えるべき「にげて」というシンプルな指示がテキストの中に埋もれてしまっている。さらに、各放送局が独自のテロップを重ねて表示することで画面が複雑化し、情報伝達にタイムラグや混乱が生じる原因にもなっている。
これらの課題を解決するため、本デザインでは直感的な理解を最優先としたアプローチを採用した。現在起きている事態と、とるべき避難方法(地下へ避難、直ちに施錠など)を、親しみやすく高コントラストな2色構成のアイコンを用いて視覚化している。言語面においては、英語に不慣れな層への配慮も含め、簡潔で誰にでも理解しやすい「やさしい日本語」を大きな文字に採用し、多言語社会における共通言語として機能させている。あわせて、緊急度を世界共通で理解可能なアラビア数字で大きく表示することで、事態の深刻さを瞬時に判断できるように設計した。